諸聖徒の日とハロウィン

 








 Under the Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0 International license.

1031日 ハロウィン(Halloween
111日 諸聖徒の日(All Saint's Day
112日 死者の日(All Soul's Day

 このうち「諸聖徒の日」と「死者の日」がカトリックの定めた記念日です。「聖〇〇」と呼ばれる聖人(「コルカタの聖テレサ」となったマザー=テレサが有名ですね)を記念するのが諸聖徒の日、聖人かどうかに関係なく、亡くなった方のために祈りをささげるのが死者の日だそうです。なのでこの時期にお墓参りをする方が多いです。
 
 キリスト教では亡くなった方が天国から帰ってくるという考え方はしないので、この日はあくまでも信仰の先達を偲んでお祈りをささげる日です。しかし国によっては死んだ方の魂が帰ってくるという民間伝統が混ざることもあり、まちまちかと思われます。数年前に話題になったピクサー映画「リメンバー・ミー」などを見ると、メキシコでは亡くなった方が帰ってくるという日本の「お盆」に似た伝統を持っていることが分かります。
 
 ところでHalloweenの「Hallow」は「聖なる」という意味の古い英語です。「All Hallows Evening」(諸聖徒の日の前夜)が縮まったのがハロウィンの語源という説が有力です。諸聖徒の日になって聖なる方々が帰ってくるのは、お化けにとっては居心地の悪い話なので前の晩のうちに暴れておこう! Trick or treat!! がハロウィンだという説がありますが…。

 全くの後付けです。キリスト教では天国からは誰も帰ってこないんだってば。

 結論から言うと、ハロウィンとキリスト教は無関係です。死者の日同様、色々な伝統行事が混ざりこんだ感がありますが、Wikipediaによれば、もともとはケルト人の収穫感謝のお祭りだったそうです。 
 
 ですので、キリスト教会のハロウィンに関する見解は「教会にお化けなんてとんでもない!」から「まあ所詮イベントだから楽しめばいいんじゃない」まで人それぞれです。

「キリスト教では、なぜ亡くなった方は天国から帰って来ないのか?

 天国とは神さまのいらっしゃる所です。前回の記事にも書きましたが、キリスト教では人間と神さまとの関係が良くないために今さまざまな不都合が起こっていると考えます。この悪い関係がイエス・キリストの仲立ちによって修復されて、神さまと一緒にいられるようになる、というのがキリスト教のいわば最終目標です。つまりキリスト教における天国とは、単にいつか死んだら行くところ、というだけではなくて、もう二度と神さまから離れません、という大切な場所でもあるのです。

 そのような訳で、今最高に素晴らしい場所にいる方々が戻ってくるということはないと考えます。

 ですがもちろん、生きている私たちのことを忘れてしまっている、ということはありません。常に残してきた家族や親しい人たちのために、神さまに守ってくださるよう、幸いであるよう天国で執り成して祈ってくれているのです。